2025年02月19日

「お前の物は俺の物、俺の物も俺の物」by ピューマのメッシ

ピューマのメッシがみんなのソファの上でくつろいでいます。一方、メッシのソファの上にはサーシャがすわっています。



メッシはしばらく考えたあとソファからおりて、サーシャのところに行きます。サーシャと頭こっつんこしたかったのか、あるいは?

マーシャがメッシの気持ちを代弁しています。

Всё твоё - моё, всё моё - моё.


これは! 剛田武氏の有名な言葉、「お前の物は俺の物、俺の物も俺の物」ではないですか! ただし、メッシは箱入りおぼっちゃまなので、一人称は「俺」というより「ぼく」、「わたくし」? あるいは猫🐱だから「吾輩」かな?

ロシアにもジャイアンのせりふみたいな言い回しがあるのでしょうか。

↓このような記事がありました。

ピクシブ百科事典「ジャイアニズム」
https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0

上の記事によると、シェイクスピア(1564ー1616)の戯曲『尺には尺を(Measure for Measure)』の中のせりふ「What's yours is mine, and what's mine is yours.」をジョナサン・スウィフト(1667ー1745)がもじって「What's yours is mine, and what's mine is my own.」としたのだそうです。











インターネットでざっと見たところによると、いろいろな国にこの言い回しはあるようです。

そして、ジェイムズ・ジョイス(1882ー1941)の『ユリシーズ(Ulysses)』にも「What's yours is mine and what's mine is my own.」というせりふがあるのだそうです。






私のものはみんなのもの、と言えるような人に私はなりたい。難しいですが……。

私は私のものはピューマのメッシのものでいいと思っています(メッシはほしくないだろうけど)。なぜならピューマのメッシは私のМессия💕だからです。

余談

うちにある電子辞書で「シェイクスピア」について調べようと思ったのですが、出てこないのです。どうして? 「シェイクスピア」の載っていない辞典なんて欠陥品じゃないか!と思ってしまいました。

どういうことかといいますと、「シェークスピア」と入力しなければいけないのでした。ニホンゴ、ムズカシイ……。

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posted by ごー at 09:32| Comment(0) | 日本語、英語、ロシア語 | 更新情報をチェックする

2021年03月09日

コップの中の嵐

最近、「Memrise」というのを利用している。言語、その他が学べるウェブサイトである。アプリ版もある。

Memrise
https://www.memrise.com

私は、ロシア語、英語、米語、ブラジルのポルトガル語、ポルトガルのポルトガル語をやってみている。

ロシア語、英語、ポルトガルのポルトガル語については、現地の人が例文を読んでくれてそれを聞き取るという課題がある。これは大変便利。というのも、市販のCD付き教材では読み手が一人とか、二人というのが少なくなく、「CDの中で読んでいる人」が言うことは聞き取れても、それ以外の人の言うことが私には聞き取れないということが頻繁にあるから。

ある日、Memriseでロシア語の勉強をしていたら、「буря в стакане воды」というのが出てきた。英訳に「it's a storm in a teacup」とある。ロシア語では「水の(入った)コップの中の嵐」なのに、英語では「茶碗の中の嵐」なんだな。しかし、これはどういう意味なのだろう。

研究社露和辞典で「стакан」のところを見てみると、

буря в 〜не воды⇨буря.


と書かれていたので、「буря」のところへ移動してみると、

б. в стакане воды コップのなかの嵐.


と書かれている。あら? 何か説明が書かれているのかと期待していたのだけど……。

そこで、電子辞書で調べてみると、「デジタル大辞泉」に「コップの中の嵐(あらし)」があった。

⦅ W=B=バーナードの劇の題名Storm in a Teacupから⦆当事者には大事(おおごと)でも、他にあまり影響せずに終わってしまうもめごと。


こういう表現があるなんて、今の今まで知らなかった。自分ではまあまあ長く生きているつもりだったけど、知らないことはまだまだたくさんあるのだった。

W=B=バーナードとは、William Bayle Bernard。19世紀のアメリカ生まれ、のちにイギリスへ渡った劇作家であり演劇評論家。

William Bayle Bernard(Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/William_Bayle_Bernard

ヴィヴィアン・リー主演の『Storm in a Teacup』という映画がある。



これはドイツの劇作家Bruno Frankの作品『Sturm im Wasserglas 』をもとにして作られた(「茶碗」がロシア語と同じ「水のコップ」になった!)。

Wikipediaを見てみると、アメリカでは「tempest in a teapot」でイギリスでは「storm in a teacup」だとある。

Tempest in a teapot(Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Tempest_in_a_teapot

「Etymology」のところに、誰がいつこの言い回し、あるいは似たような言い回しを使ったかが述べられている。歴史に残っている中ではキケロが最初ということになるのかな。キケロの頃にはteaはなかったから、teacupでもteapotでもなく(似たような食器はあったかもしれないが)、「a tempest in a ladle」。「ladle」は「ひしゃく」。

ロシア語版のWikipediaを見てみる。

Буря в стакане(Википедия)
https://ru.wikipedia.org/wiki/Буря_в_стакане

こちらでは、この言い回しの作者はモンテスキューだけれども、類似の表現はそれ以前にもあるとして、アテナイオスの著作『食卓の賢人たち』の中の表現、ギリシャの言い回し、キケロが使ったローマの言い回しの三つが挙げられている。

英語版に戻り、「Other languages」のところを見てみると、どうやら「水のコップ」が「茶碗」より多いように見受けられる。

日本語の「コップの中の嵐」がW=B=バーナード作のお芝居の題名から来ているのだとしたら、「コップ」ではなく「茶碗」と訳されたはずではないのかな? 日本語で最初に「コップの中の嵐」という言い回しが使われたのはいつなのだろう。

「コップの中の嵐」について、詳しく書かれているブログがありました。

コップの中の嵐(新しいことわざ辞典)
http://nonyaho.blog.fc2.com/blog-entry-41.html




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posted by ごー at 21:55| Comment(0) | 日本語、英語、ロシア語 | 更新情報をチェックする