2010年、ロシア語を基礎からやり直したいと思い、当時住んでいたポルトガルのロシア語教室に通った。生徒は私の他には三人。ロシアに興味があるという人、ロシア語に限らずとにかくいろんな言語に興味がある人、奥様がポーランド人なのでポーランド語の勉強をしたいのだけれど、ポーランド語教室はないのでポーランド語に近いと思われるロシア語を勉強することにしたという人。みんな今も勉強を続けているのかなあ。
内容は初級から中級という感じで、私にとっては既知のことも多かったのだが、間違えて覚えていたこと、そもそも理解していなかったこと、いろいろな発見があってとても勉強になった。
2011年に実家に帰ってきて、いろいろあって、2013年頃には一段落したので、またロシア語の教室に通いたい、日本にいるのだから日本人の先生のところで日本語を介してロシア語の勉強をしてみたいと思ったのだが、どこにそういう教室があるのかわからず、その一方で、またポルトガルに戻れるかもしれないという期待もあったので、近所の駅前留学で英語とポルトガル語の勉強をすることにした。
ポルトガルに戻ることもかなわず、ずるずると日本にいて駅前留学以外は特に何をするでもなく過ごした。何か外に出る用事を作って人々と会うということをしないといけないと思い、近所の読書会に行くようになった。そこに来客として来た人が、カルチャーセンターで教えていると言っていたので、なるほどそういうものがあるのか、ロシア語の講座もあるのかな、と検索して見つけたのが、今通っている講座。
最初は、私のロシア語力ではついていけないかもしれないという不安を感じた。でももう、そんなことを言っていられる年齢でもない。ここでがんばろうと決めた。先生は「私もロシア語については知らないことだらけです。みんなで一緒に楽しくロシア語の勉強をしましょう」とおっしゃった。この言葉に、私は大きな感銘を受けた。
本当に楽しかった。講座の内容は「ロシアの雑誌を読む」というもの。政治経済、科学、文学、歴史、いろんな人が書いたいろんな記事を読んだ。先生の模範訳を読み、なるほどこういうふうに訳すと複数形であることを表せるのだなあ、前置詞の意味も過不足なく表現できるのだなあ、と知った。それまでにもロシア語の本を読んだりはしていたのだが、読んだつもりになっていただけで、ちっともわかっていなかったのだということがはっきり理解できた。とにかくいろいろなことを学んだ。ロシア関連のことを話せる日本の人たちに会えたのもうれしかった。学生時代の同級生たちと今もつきあいがあれば、私にもそういう知り合いがいたはずだったのに、私は人づきあいというのがまったくだめで……。実は嫌われていたのかもね。思えば孤独な一生だった。
一人で勉強を続けるのもいいのだが、勘違いしたままわかったつもりになってしまうのがこわい。教室に行くと、その勘違いが正される。
言語を介した人間の意思疎通なんて、そもそも勘違いだらけなのかもしれないけれど。さて、教室選び、どうしましょうか……。ミール・ロシア語研究所(過去の記事:黒田 龍之助『ロシア語だけの青春』)があれば、迷わず行ってみるのだけどなあ……。

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