それはさておき、この本の170ページに「固有名詞の翻訳」と題された文章がある。この本の筆者はポルトガルに住んでいた頃、話題がドイツのことになるとなぜかcolónia(植民地)という言葉がよく出てくるのに気づく。ドイツと植民地とどういう関係があるのだろう、と疑問に思っていたが、実はColóniaとはケルンのことだった、とのこと。
わたしにも似たような経験がある。ロシアのテレビでНовый Орлеанという言葉を耳にし、はて、新オルレアンとは何だろうと思ったのだ。テレビ画面をよく見たらすぐにわかった。ニューオーリンズのことだった。
固有名詞が言語によって変わってくるというのは、本当に面白いと思う。たとえば日本語でリスボンと呼ばれている街はポルトガル語ではLisboaでカタカナで表記するとリジュボア。これがロシア語ではЛиссабон。カタカナにするとリッサボンかな。りさぼんって女の子のあだ名みたいだ。このаはいったいどこから出てきたのだろう。
あるいはシカゴ。ロシア語ではЧикагоでチカゴ。ロシア語でも「シ」の音を表せるのに、なぜ「チ」なんだろう?
北海道はХоккайдо、函館はХакодатэまたはХакодатеと表記するのに、横浜はなぜかИокогама、ヨコガマ。ハ行をガ行で表すというのはロシア語ではよくあって、ハワイはГавайи、ホノルルはГонолулу。Хを使えばいいのにと思ってしまうけど、どういう理由があってГを使うのだろう。
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ロシア語学習をしています、外国の地名をロシア語でどんな風にかくか、というところを興味深くよみました。
>どういう理由があってГを使うのだろう
もし理由がいつか分かりましたらまた書いてください。知りたいです。
このような説明を見つけました。Хの有声化したものがГなのだそうです。「補足」のところにも参考になることが書かれていました。
http://www.h5.dion.ne.jp/~biblio/nasu/nasu22.html