意外、というか、私がぼんやりしていただけなのですが……。
ポルトガルの詩人・作家であるフェルナンド・ペソアについて、私はだいぶ昔の人のような気がしていました。
そして、ポルトガルの政治家で経済学者でもあったアントニオ・サラザールについて、私は最近の人のような気がしていました。
しかし実際には、フェルナンド・ペソアは1888年生まれ、アントニオ・サラザールは1889年生まれであり、一歳違いなのでした。
なぜ私はこんな勘違いをしていたのでしょうか。写真や絵で見るフェルナンド・ペソアはいつも帽子に丸眼鏡で、その服装が私には昔っぽく見えていたのかもしれません。それから、亡くなったのが1935年、第二次世界大戦より前だったからかもしれません。
サラザールが生まれた1989年には、ドイツの政治家アドルフ・ヒトラーも生まれています。
ヒトラーの誕生日は4月20日、サラザールの誕生日は4月28日で、とても近いですね。
ヒトラーが星座占いでは牡羊座なのか牡牛座なのかは微妙なところですが、牡牛座だとするとサラザールと同じです。
Yahoo! 知恵袋「ヒトラーの星座は、牡羊座でしょうか? それとも牡牛座でしょうか?」https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11135125696星占い以外にも、様々な占いで生年月日が使われます。同じ誕生日なら同じ運命なの? そんなのありえないと私は思っていましたが、生まれた日が近いヒトラーとサラザールは「独裁者」と呼ばれていますから、何だか不思議な偶然を感じてしまいます。
「独裁者」という言葉で呼ばれてはいるものの、ヒトラーとサラザールでは受ける印象がだいぶ違います。
サラザールは、第二次世界大戦にポルトガルを巻き込ませなかったですし。そしてリスボンはヨーロッパの他の国から避難者を多く受け入れ、彼らはそこからアメリカやパレスチナへ向かったそうです。
しかし第二次世界大戦後、ポルトガルは植民地とはうまくやっていけなくて戦争。これが1974年の革命の大きな原因となるわけです。
それから、サラザールは厳格なカトリック教徒で、そのせいかどうなのか風紀の乱れには厳しくて、サラザールの時代には海辺で露出の多い水着を着ることは禁じられていたと聞いたことがあります。こういう厳しさも一般大衆の反感を買う原因となってしまったのでしょう。
1968年の夏、サラザールは休暇中に椅子から落ちて頭を打ち、それがきっかけで脳出血、そのあと昏睡状態になり、他の人が首相を務めることになりました。昏睡状態から目覚めたサラザールを気落ちさせないようにと、部下たちが偽物の新聞や書類を用意し、もう首相ではないのだということをサラザールに気づかせないようにしながら、以前と同じように仕事をしてもらったという話が私は好きです。もし部下たちに嫌われていたら、そこまでのことをしてもらえなかったでしょうから。
映画『グッバイ、レーニン!』は病気の母親のために息子が作りものの「東ドイツ」を用意するという話でしたが、1960年代のポルトガルで似たようなことが行われていた、それも家族ではなく職場の人たちがやってくれていたのです。
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