2024年06月22日

似ている言葉

昨日、気づいたのですが。もしかしたら気づくのが遅かったのかもしれないけど……。

ロシア語の「стареть」



日本語の「すたれる」

は意味も音も似ているなあと。

誰かに報告したいけど、私のこういう話を聞いてくれる人はいないので、ここに書き留めておくことにしました。

昔、たぶん『トンデモ本の世界』という本だったと思うのですが(手元にないので確認できない!)。






いろいろな本が紹介されているのですが、この中に、日本語とロシア語はとてもよく似ていると主張している本がありました。

似ている言葉の例としてあげられたものの中に「憎らしいわ」と「некрасиво」があったのを覚えています。もしかしたら、「すたれる」と「стареть」も含まれていたかもしれません。

日本語の「行く」
ポルトガル語の「ir」
ロシア語の「идти」

も似ているなあと思います(←最初の音が同じなだけでは?)。

日本語の「だるい」と英語の「dull」も似ていると思います。

日本語の「わた」とロシア語の「вата」も似ています。

他にもありますか?

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posted by ごー at 02:33| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2024年06月12日

年齢が近い意外な人たち

意外、というか、私がぼんやりしていただけなのですが……。

ポルトガルの詩人・作家であるフェルナンド・ペソアについて、私はだいぶ昔の人のような気がしていました。

そして、ポルトガルの政治家で経済学者でもあったアントニオ・サラザールについて、私は最近の人のような気がしていました。

しかし実際には、フェルナンド・ペソアは1888年生まれ、アントニオ・サラザールは1889年生まれであり、一歳違いなのでした。

なぜ私はこんな勘違いをしていたのでしょうか。写真や絵で見るフェルナンド・ペソアはいつも帽子に丸眼鏡で、その服装が私には昔っぽく見えていたのかもしれません。それから、亡くなったのが1935年、第二次世界大戦より前だったからかもしれません。

サラザールが生まれた1989年には、ドイツの政治家アドルフ・ヒトラーも生まれています。

ヒトラーの誕生日は4月20日、サラザールの誕生日は4月28日で、とても近いですね。

ヒトラーが星座占いでは牡羊座なのか牡牛座なのかは微妙なところですが、牡牛座だとするとサラザールと同じです。

Yahoo! 知恵袋
「ヒトラーの星座は、牡羊座でしょうか? それとも牡牛座でしょうか?」
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11135125696

星占い以外にも、様々な占いで生年月日が使われます。同じ誕生日なら同じ運命なの? そんなのありえないと私は思っていましたが、生まれた日が近いヒトラーとサラザールは「独裁者」と呼ばれていますから、何だか不思議な偶然を感じてしまいます。

「独裁者」という言葉で呼ばれてはいるものの、ヒトラーとサラザールでは受ける印象がだいぶ違います。

サラザールは、第二次世界大戦にポルトガルを巻き込ませなかったですし。そしてリスボンはヨーロッパの他の国から避難者を多く受け入れ、彼らはそこからアメリカやパレスチナへ向かったそうです。

しかし第二次世界大戦後、ポルトガルは植民地とはうまくやっていけなくて戦争。これが1974年の革命の大きな原因となるわけです。

それから、サラザールは厳格なカトリック教徒で、そのせいかどうなのか風紀の乱れには厳しくて、サラザールの時代には海辺で露出の多い水着を着ることは禁じられていたと聞いたことがあります。こういう厳しさも一般大衆の反感を買う原因となってしまったのでしょう。

1968年の夏、サラザールは休暇中に椅子から落ちて頭を打ち、それがきっかけで脳出血、そのあと昏睡状態になり、他の人が首相を務めることになりました。昏睡状態から目覚めたサラザールを気落ちさせないようにと、部下たちが偽物の新聞や書類を用意し、もう首相ではないのだということをサラザールに気づかせないようにしながら、以前と同じように仕事をしてもらったという話が私は好きです。もし部下たちに嫌われていたら、そこまでのことをしてもらえなかったでしょうから。

映画『グッバイ、レーニン!』は病気の母親のために息子が作りものの「東ドイツ」を用意するという話でしたが、1960年代のポルトガルで似たようなことが行われていた、それも家族ではなく職場の人たちがやってくれていたのです。






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ラベル:ポルトガル 日記
posted by ごー at 23:52| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2024年06月06日

『死せる魂』の中の陰謀論

ゴーゴリの『死せる魂』第十章に興味深い記述がありました。

この物語の主人公であるチチコフは一体何者なのだと人々が疑問に思い始め、関係者が集まって話し合いをします。

その中で誰かが、チチコフはナポレオンなのではないかと言い出したのです。











Из числа многих в своем роде сметливых предположений было наконец одно — странно даже и сказать: что не есть ли Чичиков переодетый Наполеон, что англичанин издавна завидует, что, дескать, Россия так велика и обширна, что даже несколько раз выходили и карикатуры, где русский изображен разговаривающим с англичанином. Англичанин стоит и сзади держит на веревке собаку, и под собакой разумеется Наполеон: «Смотри, мол, говорит, если что не так, так я на тебя сейчас выпущу эту собаку!» — и вот теперь они, может быть, и выпустили его с острова Елены, и вот он теперь и пробирается в Россию, будто бы Чичиков, а в самом деле вовсе не Чичиков.



平井肇訳

いろんな、皆それ相応にこじつけた臆断の中から、しまいにはこんなのまで飛び出してきた――それは口に出すのも可笑しいくらいだが――チチコフはナポレオンの変装したものではなかろうかというのであった。元来、イギリス人はロシアの領土が非常に広大であることを妬んでいる、だから漫画などにも、よくロシア人がイギリス人と話をしているところが描いてあるが、そのイギリス人は綱をつけた犬を後ろにつれて突っ立っている――この犬は言うまでもなくナポレオンを指すのである。で、イギリス人は『気をつけろ、お前の方でこうこういう風にしなければ、おれはすぐさまこの犬をお前に嗾(けし)かけてやるぞ!』と言っているのだ。ところで、今やイギリス人がその犬をいよいよセント・ヘレナの配所から放免したのかも知れない。そこでナポレオンはロシアへもぐりこんで来たのに違いない。チチコフの姿に化けてはいるけれど、その実チチコフなどとは真赤な嘘だというのである。


イギリス人がロシアを妬んでいるというのは、今もそうなのではないかと私は思ってしまったわけです。現在ではイギリスというよりアメリカの方がもっと妬んでいそうです。

それから、作者がこの頃の世間の様子を書き綴ります。人々は「政治問題に熱中し」、商人たちは「或る予言者の言葉をすっかり信じきって」いました。

Купцы этого сильно опасались, ибо совершенно верили предсказанию одного пророка, уже три года сидевшего в остроге; пророк пришел неизвестно откуда в лаптях и нагольном тулупе, страшно отзывавшемся тухлой рыбой, и возвестил, что Наполеон есть антихрист и держится на каменной цепи, за шестью стенами и семью морями, но после разорвет цепь и овладеет всем миром.

平井肇訳

商人連中はそれを非常に気遣っていた、というのは、彼等は、もう三年このかた牢獄につながれている或る予言者の言葉をすっかり信じきっていたからである。その予言者は木皮のサンダルをはき、プンプンと魚の腐ったような臭いのする裸皮の皮衣をきて何処からともなくやって来て、ナポレオンは反基督者(アンチクリスト)で、今は頑丈な鎖につながれて、六つの壁と七つの海にかこまれているが、やがてその鎖を断ち切って、全世界を征服するだろうといいふらした。


反基督者ナポレオンについて考え始めたのは商人たちだけではありませんでした。

Многие из чиновников и благородного дворянства тоже невольно подумывали об этом и, зараженные мистицизмом, который, как известно, был тогда в большой моде, видели в каждой букве, из которых было составлено слово «Наполеон», какое-то особенное значение; многие даже открыли в нем апокалипсические цифры.


平井肇訳

官吏や貴族連の多くも矢張り知らず識らずの間にその問題を考えるようになり、周知の如く、その当時非常に流行していた神秘主義にかぶれて、『ナポレオン』という名前を構成している文字の一字々々に或る特殊の意味を発見したり、中にはその名前から*8黙示録の神秘の数を引き出した者さえ少なくなかったのである。


そして日本語訳の注8には次のように書かれています。

*8 黙示録の神秘の数 ヨハネの黙示録第十三章十八節に出ている神秘の数六六六のことで、暴君ネロの名前をユダヤ文字に当てはめると、この数が出てくるというのであるが、ここではネロの代りにナポレオンという名前をその数にこじつけて、ナポレオンを反基督者と断定したというのである。


昭和の時代の学研『ムー』には、商品についているバーコードに、この「666」が含まれていると書かれていましたが、ナポレオンも「666」にこじつけられてしまっていたのですね。

私が「666」についてある日思いついたのは、次のようなことでした。

あのウイルスを数字で表すと「567」。
この数字の並びの「7」から1を引いて「5」に足すと、なんと「666」になるのです!

私は大発見をしたような気持ちになりましたが、よく考えてみると、これは日本語を知っている人にしか通じない言葉遊びなのでした。

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posted by ごー at 22:32| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする