2023年12月18日

本に私のことが書かれている。それから「絶対領域」、「グルジア」について

昔、村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』という短編集を読みました。






その中の一編について、「これは私のことを書いているのではないか」と私は思ってしまいました。それは埋めた犬を掘り返すという話でした。私が掘り返したのは犬ではなく猫だったのですが。

この人の他の小説にも私のことが書かれているかもしれないと思ってしまった私は、村上春樹の他の本も読んでみたのですが、そこに登場する人々は外見も話し方もおしゃれで、自分とはあまり関係ないなあと思いました。

辞書に私の心を見透かされていると思ったこともありました(過去記事「辞書を読む(https://kotobanobenkyo.seesaa.net/article/500262834.html)」)。

太宰治の短編小説『恥』は、小説に自分のことが書かれていると思い込んでしまったお嬢さんの話です。






「本に私のことが書かれている」と勘違いしてしまう人たちは、今も昔も少なからず存在しているのかもしれません。

私は現在、ニコライ・ゴーゴリの『Мертвые души(死せる魂)』を読んでいまして、今、第八章に入ったところです。






主人公チチコフを取り巻く人々について書かれている場面を読んで、私は驚きました。そこに私のことが書かれていたからです。

Кто был то, что называют тюрюк, то есть, человек, которого нужно было подымать пинком на что-нибудь; кто был просто байбак, лежавший, как говорится, весь век на боку, которого даже напрасно было подымать: не встанет ни в каком случае.

平井肇訳

それから謂ゆる愚図というやつで、何かさせるためには足を蹴とばすようにするより他はないといった人間もあった。また年がら年じゅう寝そべってばかりいて、起たせようと思っても、とても無駄な話で、どんなことがあっても決して起き上ろうとしない無精者もあった。






こんなに的確に私のことを書き表している文章に出会ったのは初めてです。しかし、次に続く文章を読むと、これは私のことではないのだとすぐに理解できました。

Насчет благовидности, уже известно, все они были люди надежные – чахоточного между ними никого не было.


平井肇訳

風采にかけては既に周知のとおり、みんな実に堂々たる連中ばかりで、彼等の中には肺病やみなどというものは一人もなかった。


私、いつもしょぼくれていますので……。

「絶対領域」

引き続き『死せる魂』第八章より。知事の家の舞踏会に集まった人々を描写している場面で、私はまた驚きました。女性たちの服装が、見せるところは見せて、ぎりぎりのところでうまく隠しているそうなのですが……。

Длинные перчатки были надеты не вплоть до рукавов, но обдуманно оставляли обнаженными возбудительные части рук повыше локтя, которые у многих дышали завидною полнотою;


平井肇訳

長い手袋もずっと袖口まで蔽っているのではなく、肱の上あたりの、男の心をそそる部分だけは、いかにも思わせぶりに残してあって、それが大抵は羨ましいほどまるまる肥っているのだ。


「絶対領域」という、わりと新しい言葉があります。ミニスカートと膝上まである長い靴下という組み合わせの服装の時、そのスカートの裾と靴下の履き口の間にある部分を「絶対領域」と呼ぶのだそうです。

21世紀の日本人は太ももに、19世紀のゴーゴリは二の腕に、「絶対領域」を見出していたのです。(インターネット上で調べてみたところ、腕に関しては「相対領域」という言葉もあるようです。)

「グルジア」? 「ジョージア」?

舞踏会に来ている人々の中に、

ジョージヤ人の公爵チプハイヒリッゼフ


がいます。

私は「『ジョージヤ人』? 『グルジヤ人』じゃないの?」と疑問に思いました。この翻訳が最初に出版されたのは1939年となっていますが、この時代には「ジョージヤ」と呼んでいたのでしょうか?

それでWikipediaの「ジョージア(国)」や「ジョージアの国名」のところを見てみると、かつての日本では「グルジヤ」「ジョルジヤ」の二種類の呼び方が使われていて、大正から昭和初期にかけては「ジョルジヤ」が主流だったと書かれています。


ウィキペディアの執筆者,2023,「ジョージア (国)」『ウィキペディア日本語版』,(2023年12月16日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A2_(%E5%9B%BD)&oldid=98102635).

ウィキペディアの執筆者,2023,「ジョージアの国名」『ウィキペディア日本語版』,(2023年12月16日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%90%8D&oldid=97472428).

私は学校で習ったのが「グルジア」だったので、今さら呼び名を変えるなんてめんどくさいなーと思っていたのですが、昔の呼び方に戻るのだと考えたらまあいいかなと思えてきました。でも「ジョージア」で私がまず思い浮かべてしまうのは、コカ・コーラの発祥の地であり、ジョージア・ガイドストーンがあったアメリカの州、それから日本コカ・コーラ社の缶コーヒーです💦

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posted by ごー at 22:32| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

2023年12月04日

最近知って驚いたこと。Duolingo、それからマクドナルドについて

Duolingoの「デイリーリフレッシュ」がいつの間にか復活していました。そして「日本語から学ぶ英語」の課題がだいぶ増えていました。「学習のポイント」という文法説明みたいなのもありました。ありがたいことです。ちなみに、私はweb版を使っています。

Duolingoでマスを一つ終わらせると、15分間ポイント二倍の液体(?)がもらえます。何かもらえるのだったら、私はこの液体よりも、青い宝石ジェムがほしいのです。といいますのも、15分間ポイント二倍だと、せっかくなのでたくさんのポイントがほしいと思ってしまい、なるべく多く問題を解こうとするために、じっくり考えることがおろそかになってしまうからです。まあ、実際に言語を使う際には、特に口頭だと、即座に反応する能力も必要なんですけど、私の場合は実際に使えるというレベルには至っていませんので、まずは「読む」と「聴く」を正確にできるようにしたいわけです。そして、レジェンドレベルを解くのには青い宝石ジェムが必要なので、私にはこちらの方がありがたいのです。

それで、最近気づいたのですが、15分間ポイント二倍の時にもう一つマスを終わらせると、ジェムが25個もらえるようなのです。

私は複数のコースに取り組んでいるので、それぞれのコースでマス最後の一つ手前で終わらせておいて、ポイント二倍中にそれぞれのマスを終わらせていくと、ジェムがたくさん入手できるようになりました!(我ながら説明が下手だ💦 日本語の勉強ももっとしないといけないようです)

Duolingoをやっていない時は、たいていYouTubeを見ています。

先日、以下のような動画がおすすめに出てきました。

Ronald McDonald original theme song! (1963)



あれ? ロナルド? ドナルドじゃないの?

ここで私は初めて知ったのです。「ドナルド」と呼んでいるのは日本だけだということを!

日本マクドナルドの公式ホームページです。
https://www.mcdonalds.co.jp/

下部にある「お問合せ」から「よくあるご質問」→「企業情報」→「ドナルド」のところをご覧ください。

とにかくびっくりです。私は世界中で「ドナルド・マクドナルド」と呼ばれているのだと思っていましたので。でも、「ドナルド・マクドナルド」の方が確かに言いやすいし、先祖の名前に敬意を払っているみたいで、なかなかいい名前なんじゃないかと思いました。

最近見た動画では↓これも面白かったです。

Math Professor Fixes Projector Screen (April Fools Prank)



素晴らしい! 楽しい!(私、語彙力ないなあ……。日本語の勉強もがんばろー!)

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posted by ごー at 16:05| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする