2023年10月20日

台所にある魔法の杖

台所で使う電気製品に「ハンドブレンダー」と呼ばれるものがあります。

マヨネーズやポタージュを作る時に、これは大変便利です。

マヨネーズを作るのに普通の泡立て器では疲れますが、これを使うと短時間で楽に作れます。

ポタージュはミキサーでも作れますが、ハンドブレンダーの方が手軽で洗い物が少なくてすみます。裏漉し器としゃもじを使っても作れますが、これはミキサー以上に大変です。

ハンドブレンダー、素晴らしい!

この道具を私が勉強している言語では何と呼ぶのかを調べてみました。調べた、といってもwikipediaで探してみただけなのですが。

英語

immersion blender
stick blender
mini blender
hand blender
wand blender

いろいろな呼び方があるようです。

ロシア語

погружной блендер
ручной блендер

エスペラント

stangomiksilo

この言葉は「stango/miks/ilo」と分解することができます。

「stango」は「棒、さお」、「miks」には「混ぜる」という意味があり(動詞はmiksi、形容詞はmiksa)、「ilo」は「道具」のことです。

ポルトガル語

ブラジルのポルトガル語では
mixer

ポルトガルのポルトガル語では
varinha mágica

とのことです。

ポルトガルでは「varinha mágica」、「魔法の杖」と呼ぶのか! 私は楽しい気持ちになりました。確かに、この機械を使うと簡単にいろんな料理が作れて「魔法」みたいです。

この種の機械の元祖は、スイス生まれの「バーミックス(bamix)」だそうです。

バーミックスの歴史
http://www.cherryterrace.co.jp/product/bamix/history.html

発明したのは、スイス人のRoger Perrinjaquet氏。Roger Perrinjaquet氏に感謝です。

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posted by ごー at 09:54| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2023年10月17日

鏡を見つめるピューマのメッシ

先月、9月に、ピューマのメッシが暮らすドミートリエフ家では、サーシャの誕生日をお祝いしました。サーシャはプレゼントを受け取り、メッシは包み紙で遊びます。

それから一家は、貸別荘というのでしょうか、一戸建ての宿泊施設へ泊まりに行きました。チーターのゲルダは家でお留守番をしていたようです。



メッシはインドア派なので、まずはお部屋の点検をします。この小さなおうちがとても素敵なのです。サウナがあって、台所もあって、家具もさっぱりしていて素敵で、私はこういうところに住みたいです。こういう老人ホームがあったら入居したいものです(お金ないけど……)。

メッシが洗面台の上の鏡をのぞきこみます。

私は『犬の心臓』の一場面を思い出しました。

犬のシャーリクが鏡を見ながら考えます……。



Булгаков, М.А.『Собачье сердце』の中のこの場面を引用します。

«Я – красавец. Быть может, неизвестный собачий принц-инкогнито», – размышлял пёс, глядя на лохматого кофейного пса с довольной мордой, разгуливающего в зеркальных далях. – «Очень возможно, что бабушка моя согрешила с водолазом. То-то я смотрю – у меня на морде – белое пятно. Откуда оно, спрашивается? Филипп Филиппович – человек с большим вкусом – не возьмёт он первого попавшегося пса-дворнягу».


ピューマのメッシは、鏡を見ながら何を考えていたのでしょうか。

「僕は美男なんだ。身分を隠したピューマの王子様なのかも。僕の顔はおとうさん(サーシャ)に似ているな。でも、この目はおかあさん(マーシャ)に似ているな」

なんてことを思ったのでしょうか。私は勝手に想像して楽しみます。

犬のシャーリクやピューマのメッシと同じように、自分の美男ぶりを鏡で確認する鶏。

Chicken raised for meat is convinced he's a dog



一方、チーターのゲルダはドミートリエフ家に来て、丸三年がたちました。



ゲルダは人間の前ではいつものどをごろごろ鳴らして、とても人懐っこいのです。動物園にいた時も、大事にされていたのだと思われます。

再び『Собачье сердце』から引用。

Совершенно ясно: пёс вытащил самый главный собачий билет.


とありますので、

Пума Месси вытащил самый главный пумячий билет.
Гепард Герда вытащила самый главный гепардий билет.

と言えるのかもしれません。

またまた『Собачье сердце』から引用。

а кинематограф у женщины единственное утешение в жизни.


とありますので、

Видео Месси и Герды у меня единственное утешение в жизни.

と言えます。

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posted by ごー at 11:20| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

2023年10月10日

Goscinny e Sempé『Eu Sou o Maior』

これはフランスの本『プチ・ニコラ』(Le Petit Nicolas)シリーズのポルトガル語訳です。「O Regresso do Menino Nicolau Volume II」とありますので、この前にも一冊あるのです。今から十年以上前に7.50ユーロで購入しました。

meninonicolau.jpeg

作者のRené Goscinny(1929-1977)の死後に、未発表の原稿を集めて本にしたのが「O Regresso do Menino Nicolau」です。

この本は5章に分かれていて、それぞれの章に8つのお話、合計で40話収録されています。訳者はMiguel Rodrigues。

どのお話もかわいいのですが、Jean-Jacques Sempé(1932-2022)の挿絵も最高にかわいいです。絵を眺めているだけでも、楽しい気持ちになってきます。

内容はというと……。

舞台は1950年代のフランス。少年ニコラウ(フランス語では「ニコラ」)が自分の周囲の出来事を語ります。学校のこと、家のこと、近所の人のこと、旅行に行った時のこと、等々。

ニコラウは小学校低学年くらいの年齢だと思われますが、男子校に通っています。この頃のフランスは男女別学が普通なんでしょうか? 学校では同級生となぐりあいのけんかをしたり、家では両親がけんかしてお母さんが泣き出したり、ニコラウもそれを見て泣き出したり、いつでも平和で静かな生活というわけではないのですが、それもまたいい。幸せな子供時代です。

大人が「子供はこうあれ」という理想を押し付けるのではなく、本当の子供の日記みたいな雰囲気のお話です。自分の子供の頃のことを思い出して、泣きたいほど懐かしい気持ちになりました。

以前このシリーズの別の本をブラジルのポルトガル語で読んだことがあるのですが、使われている言葉や友達の名前がちょっと違っているのも、私にとっては興味深いところです。ブラジル版は手放してしまったので、現在手元にないのが残念です。






ブラジルとポルトガルでどんな違いがあるかと言いますと、たとえば……

ブラジル版では友達同士でも「Você」で呼び合いますが、ポルトガル版では「Tu」です。

ブラジル版では「legal」や「super」という言葉をよく見かけましたが、ポルトガル版では「fixe」それから「bestial」「bestialmente」という言葉がよく出てきます。

「legal」と「fixe」は英語の「cool」に相当するものですが(「涼しい」の意味ではない方)、これは日本語ではなんと言いますか? 「かっこいい」? 「すごい」?

ニコラウの友達で、いつも何かを食べている子がいるのですが、その子の名前がブラジル版では「Alceu」、ポルトガル版では「Alceste」となっていました。

ニコラウは、お母さん、お父さんのことをポルトガル版では「mamã」「papá」、ブラジル版では「mamãe」「papai」と呼んでいます。

こういった違いはあるにせよ、面白さに変わりはありません。しかし、私にはブラジル版の方が読みやすかったような記憶があります。ポルトガル版では「Tu」が使われているため、動詞の変化が増えるからかもしれません。

フランス語で読めたら、もっと楽しいのだろうなあ……。

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posted by ごー at 04:01| Comment(0) | ポルトガル語 | 更新情報をチェックする