私は動物の出てくる動画を見るのが好きなのですが、食べ物を紹介する動画も好きです。そういう動画を見ながら、今日の夕飯は何にしようかなあと考えたりします。
先日、ラーメン屋から届けてもらった料理を紹介する、という動画を見ました。
チキンカツやトンカツの紹介の時に「ぱにろーふけ」とか「ぱにろーふき」と言っているのに気づきました。
そこで、研究社露和辞典を見てみたところ、「
панировка」という言葉がありました。
[料理](揚げる前に)パン粉[小麦粉]をまぶすこと; その衣(ころも).
動詞は完了体、不完了体が同じ形で「
панировать」。
なるほど、「パン粉」をまぶすから「パニローフカ」なのかと納得しましたが、あれ、ロシア語の「パン」は「ぱん」ではないね?
「
панировка」の語源を調べてみると、フランス語の「
paner」から来ているということがわかりました。これは動詞で「…にパン粉をまぶす,衣をつける.」という意味の言葉です。
フランス語で「パン」は「
pain」。日本語の「パン」はポルトガル語の「
pão」から来ていると言われています。スペイン語の「パン」も「
pan」です。
「パン粉」をまぶすから「パニローフカ」。ばっちり覚えられそうです。
この動画の中で「
типа」という言葉も出てきました。そこで思い出したのがあるエッセイ。
В погоне за частицамиhttps://www.kommersant.ru/doc/2926905息子が「типа」という言葉を使ったら、母親である筆者が「Нет слова "типа”!」と言うのです。
研究社露和辞典で「тип」のところを見ると「типа」で「…のような、…に似た」という意味になると書いてあるので、母親が言い返した理由がよくわかりません。研究社露和辞典は1988年に出ているので、最近の若者言葉というわけでもなさそうですし……。
プログレッシブ ロシア語辞典には若者言葉としての「типа」についても書かれています。
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そしてこの動画を見ていて、出演者の箸の持ち方の美しさに私は感動しました。この人が子供の頃から、親に箸の持ち方をしつけられたとは考えられないので、この持ち方が一番自然で楽で、一番動かしやすいということなのではないでしょうか。一番楽で動かしやすい持ち方が、結果として美しい持ち方になる。ペンの持ち方も同じことだと思われます。
一方、日本人の食レポ動画では、変わった箸の持ち方をしている人を見かけます。外国人が箸を美しく持って使い、ほぼ毎日箸を使っているだろうと思われる日本人はそうでもない。これはどういうことなのでしょうか?
日本人は不器用な子供の頃から箸を使いはじめます。手の動きが大人ほど器用ではないので、変な箸の持ち方をします。そして変な持ち方でも食べるのには困らないので、周りの人から注意されないかぎり特に疑問も持たず、そのまま大人になってしまうのではないか、と私は考えました。しかし変わった持ち方では、箸や手を効果的に使っているとは言えません。見た目もあまりよくなかったりします。
一番自然で楽であることが、一番効果的で美しい。いろいろなことについて、これは当てはまるのではないでしょうか。
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https://kotobanobenkyo.seesaa.net/article/500125995.htmlパン粉をまぶして揚げたもの、そして箸の持ち方について