リンク
最初のうちはみな楽しそうなのである。他の誰のためでもない、自分たちのために働く。みんな生き生きと働く。このあたりは読んでいて楽しい。
ところが、だんだんおかしくなっていく。指導者として、ナポレオンとスノーボール、二頭の豚がいたのだが、スノーボールが追い出され、ナポレオンが独裁者になる。気に入らない者はどんどん処刑し、あったことをなかったことにし、なかったことをあったことにする。
こわい。最初に出版されたのは1945年。ある国のことを風刺していると言われているが、ある国に限らなくても、どこの国でも、国でなくても、あちこちにありそうな現象だ。
実はこの本を読むのは二度目で、以前読んだ時には「これが有名な『動物農場』か」と思っただけだったのだが、今回は自分の中の様々な感情を揺り動かされた。
働き者の馬のボクサーが、仕事中に血を吐いて倒れているのをみんなに発見された場面では、泣いてしまった。
その時のボクサーのせりふ。
To tell you the truth, I had been looking forward to my retirement. And perhaps, as Benjamin is growing old too, they will let him retire at the same time and be a companion to me.
(ベンジャミンはボクサーの友人であるロバ)
それから、雌馬のクローヴァーとベンジャミンに看病されながら、語るボクサー。
Boxer professed not to be sorry for what happened. If he made a good recovery, he might expect to live another three years, and he looked forward to the peaceful days that he would spend in the corner of the big pasture. It would be the first time that he had had leisure to study and improve his mind. He intended, he said, to devote the rest of his life to learning the remaining twenty-two letters of the alphabet.
本を読んで泣いたのはいつが最後だっただろう。今回泣いてしまったのは、私の英文読解力が向上したからか、あるいは私が年をとったからなのか、どちらだろう?
そして、スノーボールはどこへ行ってしまったのだろう。

にほんブログ村