2021年11月13日

山田ヒツジ『デキる猫は今日も憂鬱』

外国語と関係ない本の感想は別のブログ『後悔と反省』(https://koukaitohansei.seesaa.net/)に書いているのですが、ロシア語の引用をしたくなったので、こちらに書いておきます。

子猫を保護して育てたら、大きく育って、大柄な人間くらいの大きさになって、家のことを全部やってくれるという、夢のようなお話。






福澤幸来さん宅の猫「諭吉」は、保護した時には小さな子猫だったのに、なぜだかとても大きく育ってしまった。そして、幸来さんが会社に行っているあいだに、ゴミ出し、洗濯、掃除、夕飯作り、幸来さんの弁当の下ごしらえなどする。そして幸来さんが帰宅すると夕食を出し、時にはお風呂に入れてくれたり体重を量ってくれたりもする。

諭吉は人間の言葉はしゃべらないけど(口の構造が違うからか?)、人の言うことは全部わかっていて、テレビ番組を見ながら新しい料理に挑戦したりする。裁縫もできる。なんでもできるうえに、気遣いもある。

そこで思い出したのが、「猫のマトロスキン」。

マトロスキンが登場するソ連のアニメПростоквашино三部作は、エドゥアルド・ウスペンスキーの『Дядя Федр, пёс и кот』を元にしている。

ウスペンスキーはわにのゲーナやチェブラーシカの作者としても有名。




フョードルおじさんというあだ名の少年には、Простоквашино村に猫のマトロスキン、犬のシャーリクという友達がいる。

三部作の二作目『Каникулы в Простоквашино』(1980)。

ある日フョードルおじさんの母親がリゾート地に行きたいと言い出す。そこで親子3人で列車の駅に向かったのだが、フョードルおじさんはどうしてもПростоквашино村に行きたくて、Простоквашино村行きの列車に乗ってしまう。

一方、リゾート地に到着した両親は、海辺で日の光を楽しむ。

息子のことを心配する父親に、母親は「あの子にはあの猫がいるから大丈夫」と言う。マトロスキンはそんなにも信頼されているのである。

すると父親は、

Был бы у меня такой кот, я, может, и не женился бы никогда.


と言うのだった。(奥さんのいる場で、なんと大胆な発言!)

マトロスキンは人間の言葉を話すことができ、裁縫ができて、ギターが弾けて、とても賢いけれど無邪気なところもあって、頼れるかわいい猫なのだ。

私にマトロスキンや諭吉みたいな猫がいたら、結婚したいなんて思わなかっただろう。

そういえば、以前読んだ『おかゆネコ』という漫画も面白かった。猫が人間のためにおかゆを作ってくれるのである。






猫は、猫だけでなくすべての生き物は、そこに存在するだけで尊いのだけど、自分の面倒を見てくれる猫って、ちょっと、いや、かなり憧れる。

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posted by ごー at 07:26| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

2021年11月10日

雨の歌

雨の日に外出するのは憂鬱。憂鬱だから、頭の中で歌を歌う。

まずは、「あめあめふれふれ かあさんが〜」

これは題名『あめふり』で、作詞は北原白秋、作曲は中山晋平、初出は1925年。私が想像していたより古かった。なんとなく戦後の曲かと思っていました。まったく古い歌という感じがしない。古さを感じさせるのは「じゃのめ」と「きみきみ このかさ さしたまえ」の部分かな。

https://ja.wikipedia.org/wiki/あめふり

それから「あめあめふれふれ もっとふれ〜」
これは『雨の慕情』。昔はあまり何も感じなかったけど、今聞くとしびれる。






Falamansaの『Oh! Chuva』。






私は音楽のジャンル分けというものをあまり考えたことがなかったが、ファラマンサの音楽は「forró(フォホー)」という分野らしい。

https://en.wikipedia.org/wiki/Falamansa

人に対して

Experimente tomar banho de chuva

とか

雨に対して

Só molhe esse povo de alegria
Para nunca mais chorar


と歌っているのだが、雨に濡れて風邪ひかないのかなと、余計なことを考えてしまう。

それから、『Águas de Março』。






作詞作曲はトム・ジョビン(アントニオ・カルロス・ジョビン)。英語版の歌詞もトム・ジョビンが書いていて、ポルトガル語版とは少し違うところがある。「三月の水」は、ブラジルでは夏の終わりの雨、北半球の国々では春の始まりの雪解け水を想起させるらしい。

そして、『傘がない』。この歌の主人公も『Oh! Chuva』の人々と同じく、風邪をひかないように気をつけてほしい。






雨の日には、これらの歌を頭の中でぐるぐる回しています。

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ラベル:ポルトガル語
posted by ごー at 04:25| Comment(0) | ポルトガル語 | 更新情報をチェックする