1973年の作品。監督はエリダール・リャザーノフ(Эльдар Александрович Рязанов)。
この監督の作品で、日本でもよく知られているのは『運命の皮肉(Ирония судьбы, или С лёгким паром!)』。年末年始には毎年ロシアのテレビで放映される、有名な喜劇。
リンク
Невероятные приключения итальянцев в России (комедия, реж. Эльдар Рязанов, 1973 г.)
(下記のリンク先で見られます。英語の字幕もあります)
https://youtu.be/0B3nK-k0KzQローマのとある病院に、救急車でロシア人のおばあさんが運び込まれる。しかし、病院は患者であふれかえり(廊下にまでベッドが置かれている!)、空きベッドがない。おばあさんは足を怪我した入院患者と同じベッドに寝かされる。
知らせを受けて病院に駆けつけた孫娘に、おばあさんは「財産はロシアのレニングラードのライオンの下にある」と告げて息をひきとってしまう。
孫娘がロシアへ向かうのは当然のこととして、おばあさんを病院に運んだ救急隊員二人、病院の医者、おばあさんと一緒のベッドにいた患者、妻の出産に付き添っていたマフィアも、なぜか孫娘と同じ飛行機に乗ってモスクワへ。
ある者は助け合い、ある者は騙し合いながら、イタリア人たちの宝探しが始まるのだった。
1970年代のソ連で、こういう映画が作られていたとは! 「ドリフターズのコント」や「西部警察」を思い出してしまった。現在はCGを使えば、ありえないような場面をいくらでも作ることができるが、当時はそういう技術はなかったわけで、とても驚かされる。
映画の中ではイタリア人という設定だが、足を怪我している患者は『犬の心臓』でプレオブラジェンスキー教授を演じたエヴゲーニー・エフスチグニェーエフ(Евгений Александрович Евстигнеев)。他のイタリア人はイタリア人の俳優が演じているのに、この人だけロシア人だ。
リャザーノフ監督は、飛行機の翼の上で、凍ったマフィアの氷をはがす医者を演じている。
予約もしていないのになぜか現れるロシア人ガイドは、アンドレイ・ミローノフ(Андрей Александрович Миронов)。(過去記事「ボルシチ・ウエスタン!? 『Человек с бульвара Капуцинов』
https://kotobanobenkyo.seesaa.net/article/477700857.html」
CGがないから、ライオンも実際のライオンが演じているのだが、このライオンは映画の撮影後に気の毒な亡くなり方をしている。
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https://kotobanobenkyo.seesaa.net/article/484034513.html映画『Невероятные приключения итальянцев в России』