2021年01月31日

猫の手はかわいい

猫の手はかわいい。犬の手もかわいい。

昔、アメリカに行った時、猫たちが「Raise your paw!」という掛け声に合わせて片手を上げる場面があるテレビのコマーシャルを、私がとても気に入っていた、という話を夫がしたもので、猫の手のことは「paw」というのだと思い出した。

言われて見れば、確かにそのようなテレビコマーシャルに夢中になっていたような記憶があるのだが、あれが何の宣伝だったのか、猫のごはんの宣伝なのか、猫のトイレの宣伝なのか、さっぱり思い出せない。

OALD(Oxford Advanced Learner's Dictionary)で「paw」を見てみると

paw
noun
1 the foot of an animal that has claws or nails
2 (informal) a person's hand

動詞もあるけど省略。

豚、牛、馬の足先にあるのはひづめで、clawやnailはないから、pawではないということか。では、猿はどうなのか? あれは「paw」というより「hand」という感じに見えるが、「The Monkey's Paw」という小説があるなあ……。






ロシア語で「paw」に相当するのは「лапа」。足の部分だけではなく、脚のこともлапаというらしい。
http://ozhegov.info/slovar/?ex=Y&q=ЛАПА

ポルトガル語だと「pata」。
http://www.aulete.com.br/pata

脊椎動物だけではなく、節足動物の足も「pata」であるらしい。

「pata」は雌のアヒルやカモのことでもある(「pato」を女性形にしたもの)。ポルトガル語は、同音異義語、同綴異義語が多いなあ。

日本語だと「paw」は何だろう? 「手」かな? 犬に「お手!」と言うし、「猫の手も借りたい」という慣用句があるし。

朝、サーシャを起こそうとするピューマのメッシ。



二晩続けてメッシに夜の睡眠を邪魔されたので、サーシャは起きたくない(起きられない?)。サーシャを起こしたくて、顔をこすりつけたり、頭をなめたりするメッシ。手をサーシャの頭や顔に当てたり……。

あの大きな肉球を当てらるのは、どんな感じなんだろうなあ。メッシのлапыはかわいい。




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2021年01月28日

ロシアの教会の名前

ロシアの教会にウスペンスキー寺院(ヘルシンキにもこの名前の立派な教会がある)とかプレオブラジェンスキー寺院というのがありますが、私は今の今まで、教会の偉い人の名前が「ウスペンスキー」だったり「プレオブラジェンスキー」だったりするのかと思っていました(はずかしい!)。

「ノートルダム」はポルトガル語で言うところの「Nossa Senhora」なのだと気づいた時のような衝撃でした。(過去記事「ノストラダムスとNossa Senhora」)

言葉の構造を考えれば、それは間違いであることがすぐわかるのに、一度も疑問に思わなかったのが我ながら不思議です💦

まず、「успенский」は「успение」を形容詞にしたもので、研究社露和辞典には、次のように書かれている。

успение
〘宗〙
1 死,昇天.
2 〘ギ正教〙至聖生神(しょうしん)女就寝祭(=у. пресвятой богородицы)⦅旧8月15日,新8月28日,生神女マリアが永眠した日⦆.
★もとуспнуть(=уснуть, умереть)の動名詞形.

https://ja.wikipedia.org/wiki/生神女就寝祭

それから、「преображенский」は「преображение」を形容詞にしたもので、辞書を見ると以下のように説明されている。

преображение
1 変容,変貌,面目一新
2 〘宗〙(山上の)キリストの変容; (ギリシア正教・カトリックの)変容祭,顕栄祭⦅8月19日(旧暦8月6日)⦆.

https://ja.wikipedia.org/wiki/主の顕栄祭

ブルガーコフの『犬の心臓』に出てくる外科医が「プレオブラジェンスキー教授」だというのも、なるほど意味があってのことなのだったと、今になってやっと気づいた次第です……。




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ラベル:ロシア語
posted by ごー at 05:47| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

2021年01月18日

ロボットとかタブレットとか

ポルトガル語ではロボットのことを「robô」と言うらしいのである。

「ロボット」って、カレル・チャペックが作った言葉のはず。英語では「robot」だし、ロシア語では「робот」だ。なぜポルトガル語では「robô」なの? 最後の「t」はどこへ行ってしまったの?

robô (Michaelis On-line)
https://michaelis.uol.com.br/moderno-portugues/busca/portugues-brasileiro/robo

「ETIMOLOGIA
tcheco robot, via fr robot.

とあるので、フランス語の「robot」は語末の「t」を発音しなくて、それをそのまま文字にしたという感じか。

新しい事物の名前が、どのように決まっていくかというのは興味深い。

たとえば、タブレット型端末。英語だと「tablet」で、他の言語でもそれと同じか似たような言葉を使っている場合が多いと思われるのだが(←面倒くさいので調べない)、ロシア語ではなぜか「планшет」。フランス語の「planchette」の音を写したもの。

研究社露和辞典には「планшет」の訳語として、次のように書かれている。

1〘測〙測量図製図板,測量平板.
2 測量図.
3 (表側が透けている)地図入れ.

英和辞書で「planchette」を引いたら、「自動書記[こっくり]板」とあった。外国のこっくりさんをやってみたいなあ。

2015年の議論ですが、
Topic: Планшет(ник)/таблетка(Лингвофорум)
https://lingvoforum.net/index.php?PHPSESSID=qu04bgquoe1ou23m9kpqkri2q7&topic=79389.0
「планшетникと言っていたこともある」とか「таблеткаを聞いたことがある」と書いている人もいるけど、планшетの人が多いみたいだ。タブレット型端末が出始めた頃は「планшет」とはっきり決まってはいなかったのかな?

他に、昔はなくて今はあるものとして、「スマートウォッチ」があるが、これは「смарт-часы」だったり「умные часы」だったりする。「умные часы」という名前だと、とても賢くて頼りになりそうだ。

なぜ、ロシアでは「планшет」になったかというと、「таблет」や「таблетка」では「錠剤」と混同されるからだと思われます。たぶん。

「tablet」は英語でも「錠剤」の意味があるけど、ある種の板状のものも「tablet」。ロシア語である種の板状のものを指す「табличка」「табло」という言葉があるが、「таблет」と「таблетка」は「錠剤」。「таблет」は辞書には「(旧)」とあるので、今は使わないのかな?



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