ムーミンパパが風邪をひいている。パパはベランダで新聞を読むのだが、パパがすわっている椅子の隣にはかごが置かれていて、そこにはハンカチがたくさん入っている。パパは時折、かごからハンカチをとりだしては、チーンと鼻をかむ。
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なるほど、ムーミン族はハンカチで鼻をかむのか、と驚いた。
のちにロシア語を勉強するようになって、「ハンカチ = носовой платок」と覚えた。なるほど、ロシア人もムーミン方式なのだな。実際、ロシア人がハンカチでチーンとやっているのを見たことがある。
日本人にはこれはちょっと抵抗がある。鼻水をふいたものは使い捨てにしたいのである。「鼻紙」という言葉もあるし、懐紙を持ち歩いていたりしたし、鼻水をふくには紙を使って使い捨てにしたい。
私が幼稚園児の頃はティッシュペーパーなどというものは家にはなかった。幼稚園に行く時はハンカチと鼻紙を持っていくのだが、ちり紙(うちではトイレットペーパーというものではなく、ちり紙を使っていた)を5枚くらいたたんで、かばんに入れていたのを覚えている。
今日、スーパーマーケットへ買い物に行ったら、トイレットペーパーがなかった。マスクもあいかわらずないし、ウェットティッシュもない。そこだけがらんどう。他の棚もふだんよりすきまが目立つような気がした。これには既視感があった。年末年始にロシアへ行った時に訪れた大型スーパーが、こんな感じだったのだ。あちらはまだ続く経済制裁で、品物が十分に入ってこないという事情があるのだが(とはいえ、日常生活に困るほどではない)。
私が子供の頃にはウェットティッシュというものもなかった。家族でお出かけする時には、母がおにぎりを作って菓子箱に詰め(出来合いのおにぎりというものもなかったので)、小さいタオルを濡らして絞ったものをプラスチックの筒に入れて持っていった。
というわけで、ティッシュペーパーがなければハンカチを複数枚、ウェットティッシュがなければタオルを濡らしたものを持ち歩けばいいのである。何も困ることはない。たぶん……。でも、トイレ用はやはり紙の使い捨てがいいなあ……。
ティッシュペーパーはロシア語でなんというのかと思い、手元にあるものを見てみたら「САЛФЕТКИ БУМАЖНЫЕ」と書かれていた。日本で言うところの「紙ナプキン」。ロシア人にとっては、口元をふくのは紙でもよくて、鼻用には布を使うものなのかな?

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