2019年11月29日

冬眠

 急に寒くなった。ついこのあいだまで、長袖シャツにパーカーで外に出られたのに、今はもう綿入りコートを着ている。上着というのかジャケットというのか合い着というのか、そういうものの出番がほとんどない。朝は布団の中から出たくない。



 布団の中で暮らしたいし、いっそのこと冬眠したいくらいだ。人間にも冬眠の期間があったほうが、地球にとってはよいだろうと思うのに、人間は冬眠しない。

「人間は冬眠できるのでしょうか?」という問いに、二人の専門家が答えている。
"Может ли человек на зиму впасть в спячку?"
https://www.the-village.ru/village/city/asking-question/225505-mozhet-li-chelovek-na-zimu-vpadat-v-spyachku

 「冬眠」は英語では「hibernation(ハイバネイション)」、ポルトガル語では「hibernação(イベルナサオン)」、ロシア語では「спячка(スピャーチカ)」。「スピャーチカ」って、すぴーすぴーという寝息が聞こえてきそうでかわいいなあ。ちなみに「すぴー」は「спи」で、спатьのтыに対する命令形で、「眠りなさい」の意味。

 「hibernation」と同じ「гибернация」という言葉もあるけど、これは「спячка」より専門用語っぽい感じなのかな?

 冬はビーズクッションが暖かくてよい。うちにあるのはもっと小さいのだけど、これくらい大きかったら快適に冬眠できるかな? 冬眠したい。






 夏は暑くて命の危険を感じるし、冬は寒くて生きるのがつらい。子供の頃は夏の暑さも冬の寒さもそんなに感じなかった。体操服は一年中半袖だったし。こんなに生きるのがつらいのは、私が年寄りになったせいなのかな?

↓これを見て、夏の暑さを思い出したら、寒さが吹き飛ぶかな?



にほんブログ村 外国語ブログ 多言語学習者(学習中)へ
にほんブログ村

2019年11月23日

外国語を学ぶ理由

 しばらく前に、ロシア人講師によるロシア語教授法についての講座が無料で行われるというので、私はロシア語教師ではないけど何か参考になることもあるのではないかと思い、出かけた。

 冒頭で、ロシア語学習者がロシア語を勉強しようと思ったきっかけが、昔と今では異なっているという話が出た。以前はロシアの文化や心を知りたいという生徒が多かったのが、今は仕事の手段として学びたいという人が増えたと。

 この先生の言う「以前」がいつのことなのか、私が聞き落としたのかもしれないが、どうなんだろう? 生徒がどの国から来ているかにもよっても、もちろん違いはあると思う。

 私が思うに、ソ連時代だったら、仕事の手段として勉強する人の方が多かったのではないか? 特に旧共産圏では、ロシア語ができればできるほど出世につながったのではないかと思う。ロシア語と近い言語を母語としない人たちは、ドイツとかバルト三国とかグルジアとか、他にもたくさんあるが、ロシア語の勉強に時間をとられてかなり大変だったのではないかと想像する。西側諸国でも、ロシア語のできる人は重宝されたと聞く。

 今から四半世紀前、私が通っていたロシア語学校で、日本語を学びに来ているロシア人学生との交流会のようなものがあった。日本の生徒がロシア語を勉強している理由として、「バレエが好きだから」「バレーが好きだから」「文学が好きだから」などと言っているのに対して、ロシア人の学生たちが「日本語を覚えるとお金が稼げるから」と言っていたのがとても印象に残っている。

 今の日本語学習者はどうなんだろう? 外交官や技能実習(?)で来る人は、仕事のために日本語を学ぶ。

 今から十年以上前、私は、ブラジル人が日本語の勉強をするお手伝いをしていた。日本語を勉強する理由は人それぞれで、とにかくいろんな言語に興味があるから日本語の勉強もしている人、現役時代に日本へ出張に行ったことがあり、定年退職して時間ができたので、また日本語を勉強しはじめた人、日本へ仕事しに行くので、子供に日本語を習わせている人、親や祖父母が日本人だからという人。そして、小学生から大学生のほとんどは、日本の漫画やアニメが好きだからと言っていた。私はその頃の日本の漫画やアニメには興味を持っていなかったが、こんなに遠い国にいる子たちの心をとらえるなんて、日本の漫画やアニメはすごいんだなあ、と思った。まあ、私自身も、ロシアのアニメに心奪われたせいで、今もほそぼそと勉強を続けているわけですが……。

 学習開始の理由は何であれ、お互いの言語を勉強し合って、お互いを理解できる部分が増えれば増えるほど、それはいいことなんだろうと思う。本当は言語なんてなくて、テレパシーか何かで理解しあえればもっといいのに。

 これも十年くらい前のこと。ある人が猫を連れて日本からポルトガルに引っ越した。住まいが決まってひと段落したところで、猫が行方不明になった。「猫を探しています」のポスターを作ってあちこちに貼ったが、何の連絡もない。ある日、その人が家の近所を歩いていたら、ある建物の地下に猫たちが出入りしているのが見えた。近づいてよく見ると、そこは猫のたまり場になっていて、自分の猫もその中にいたとのことである。

 その頃の私はポルトガルにいて、とにかくポルトガル語がわからなくて毎日気が狂いそうだった(実は狂っていたのかも?)。外に出れば、中国だのニイハオだの売春婦だのと言われる。だから、その話を聞いた時、猫は外国から来ても言葉の壁などはなく、すぐに仲間ができるのか、うらやましい、人間とはなんと不自由な動物なのだろうかと悲しくなったのだった。いや、猫にも性格があるので、くろちゃんは外国の猫にもすぐ受け入れてもらえるようなよい性格の猫だったのかもしれない。






にほんブログ村 外国語ブログ ロシア語へ
にほんブログ村

にほんブログ村 外国語ブログ 多言語学習者(学習中)へ
にほんブログ村
posted by ごー at 16:11| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

2019年11月02日

魚介類

 ブラジルでは決して「さかな」と言ってはいけない、と何度も言われた。首都のブラジリアでは最悪でなぐられるくらい、地域によっては最悪の場合、殺されることもあると。

 最近、ブラジル人の先生に、この「さかな」について聞いてみたところ、「日本人の発音する『さかな』は『sacana』とは違うから、気にする必要はない」と言われた。

 この『sacana』の意味が私にはよくわからない。辞書を見ても、生死にかかわるほどのこととは思えない。たぶん一生わからない。

 ロシアでは「えび」と言ってはいけないと言われたことがある。という話をロシア人にしたら、日本人の発音する「えび」は卑猥語には聞こえないから、問題ないと言われた。

 いずれにしろ、危ないことは言わないに越したことはない。

 ロシア語の икра が日本語の「イクラ」の語源だというのは、まあまあ知られた話。красная икра (赤いイクラ)が日本での「イクラ」で、чёрная икра (黒いイクラ)はチョウザメの卵、日本で言うキャビアのこと。икра сельди はニシンの卵だから、数の子。小説などに「икра」と出てくると、魚の卵であることはわかるけど、具体的には何なのかは説明がないとわからない。ブルガーコフの『Собачье сердце』(犬の心臓)で、プレオブラジェンスキー教授の食卓に「イクラ」が出てきて、私は「赤いイクラか黒いイクラか、どっちなんだろうなあ」と考え込んだことがある。

 ロシアでは赤いイクラは、昔は日本より安かったような気がするのだが、最近はそうでもないような。人工イクラも売られるようになった。日本の人工イクラは本物と見分けがつかないくらいのものだそうだが、私が見たロシアの人工イクラは、固めのゼリー、あるいはやわらかめのグミと言った感じで、明らかに別物だとわかる。消費者をだましているわけではなくて、ちゃんと「имитированная」と書かれていたりする。


株式会社キミカ 食べられる!!イクラ風ゼリー実験セット


 иваси はイワシ、その中でもマイワシのこと。これは日本語から。イワシは普通は сардина と呼ばれるかな? сардина の一種が иваси、といった感じか。минтай はソケソウダラ。漢字で書けば「明太」。これは朝鮮語が元になっている。



 昔、Turma do Gambá という音楽サークルの演奏会に連れていってもらったことがある。サークルのシンボルは gambá(ガンバー) という動物。gambá は臭いにおいを出す動物だと教えてもらったから、イタチかな、と思った。

gamba.jpg

 あとで辞書を見たら、「フクロネズミ、オポッサム」と書いてあった。私の頭の中では、gambá と『ガンバの冒険』のガンバが勝手に結びついた。






 ポルトガルで中華料理店に行ったら、メニューの中に「gamba」があった。ポルトガル人はあの動物を食べるのかと驚いたが、同行の人が gamba は「えびの一種」だと教えてくれた。よく見ればアクセント記号がついていないので、gambá(ガンバー) と gamba (ガンバ)は別の言葉なのだった。ブラジルでは gamba という言葉は使わなかったと思う。

"Camarão e gamba têm as suas diferenças"
http://ensina.rtp.pt/artigo/camarao-e-gamba-tem-as-suas-diferencas/

 ↑の情報によると、camarão は小さめで、gamba は大きめ。camarão はギリシア語の「カマロース」という言葉から来ている。「カマロース」という言葉はエビだけではなく、caranguejo (カニ)や lagosta (伊勢海老?)のことも指す。gamba はイタリア語の「脚」を意味する言葉から来ているとのこと。

にほんブログ村 外国語ブログ ポルトガル語へ
にほんブログ村

にほんブログ村 外国語ブログ ロシア語へ
にほんブログ村

にほんブログ村 外国語ブログ 多言語学習者(学習中)へ
にほんブログ村
posted by ごー at 21:10| Comment(0) | ポルトガル語とロシア語 | 更新情報をチェックする