ポルトガル語では木曜日のことを「quinta-feira」という。カタカナで音を表すと「キンタ・フェイラ」。「quinta-feira」と聞くと、私の頭の中にはなぜか「金太平良」という漢字が浮かぶ。だから、ポルトガル語を習い始めて間もない頃は、いつも「quinta-feira」を「金曜日」と間違えていた。
今でも私は「quinta-feira」と聞いてすぐに「木曜日」とは結び付けられない。情けない……。
「quinta-feira」と耳にする、あるいは目にする。頭の中に浮かぶのは「金太平良」の文字。「金」の字があるから「金曜日」?→いや、「金曜日」は「sexta-feira」のはず。→ということは「quinta-feira」は「木曜日」のことである。ここでようやく「quinta-feira」=「木曜日」と理解するのである。
「quinta-feira」が私には「金曜日」に思えてしまうのには、もう一つ理由がある。
quinta は英語で言うところの fifth 。ポルトガル語の形容詞は、形容する名詞の性に合わせるから、quinta は女性形。ロシア語の п
ятая なのである。п
ятая から連想される曜日は п
ятница(金曜日)。
曜日の名前のおさらい。まずは、一週間は何曜日から始まるのかという問題があるが、私は「月曜日笑ってる、げらげらげらげら笑ってる」で始まる歌を聞いたり歌ったりして育ったので、カレンダーの始まりが日曜日であっても、週の始まりは月曜日のように思っている。
この歌は『月火水木金土日のうた』で、作詞が谷川俊太郎、作曲が服部公一。

月火水木金土日の歌
この歌、「げらげらげらげら笑ってる」のあとは「お月様は気が変だ」と続くのが面白い。英語に lunatic という言葉があるから。ポルトガル語では lunático、lunática 。ロシア語の лунат
ический は「夢遊病(者)の」で、лун
атик、 лунат
ичкаは「夢遊病者」。
月曜日を始まりとして、日本語、英語、ポルトガル語、ロシア語の順で並べてみる。ロシア語の語源は、コンサイス露和辞典を参考に。
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月曜日 Monday segunda-feira понед
ельник
(Monday は「月の日」、日本語と同じ。ポルトガル語は「2番目」、ロシア語はコンサイス露和に「 〈по, неделя 日曜の次の日」と書かれている。なぜ нед
еля が「日曜日」なんだろう? 「週」という意味の「нед
еля」という言葉については、「原義は休祭日, →не, дело」とある。仕事のない日、つまり日曜日ってことか!)
火曜日 Tuesday terça-feira вт
орник
(ポルトガル語は「3番目」。ロシア語は「2番目」)
水曜日 Wednesday quarta-feira сред
а(ポルトガル語は「4番目」。コンサイス露和には「〈教ス, →середа, ゲルマンからの借用訳か」とある。意味としては「真ん中の日」なんだろうけど、Wednesday は神様の名前だよなあ? と思っていたら、ドイツ語の水曜日は「真ん中の日」らしい)
木曜日 Thursday quinta-feira чет
верг
(ポルトガル語は「5番目」。ロシア語は「4番目」)
金曜日 Friday sexta-feira п
ятница
(ポルトガル語は「6番目」。ロシア語は「5番目」)
土曜日 Saturday sábado субб
ота
(コンサイス露和には「〈ギ sabbata(アラムまたはヘブライより)」とあるけど、なんだかよくわからない。英語の辞書に Sabbath という言葉があって、「安息日〈キリスト教では通例日曜日,ユダヤ教・一部のキリスト教では土曜日,イスラム教では金曜日〉」とあるから、これのことかな? 英語のSaturdayは、「ローマ神話の農耕の神サトゥルヌス」から来ているので、ポルトガル語、ロシア語とは語源が違うのか!)
日曜日 Sunday domingo воскрес
енье
(Sundayは太陽の日、日本語と同じ。domingo は「主の日」。воскрес
енье は「復活」かな?)
他の言語の知識があったら、もっといろんなことがわかるのだろうなあ。
ポルトガル語の曜日の名前に順序数詞が使われているのは、異教の神々の名前を曜日の名称としているのはよろしくないと考えたからだそうだ。とすると、ロシア語にも昔は異教の神の名を使った曜日の名称があったのかな?
曜日のことを考えていたら、ある春歌(?)を思い出してしまったのだが、お下品なのでそれについては書かない。
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https://kotobanobenkyo.seesaa.net/article/471019626.html金太平良