2019年09月29日

トルストイの像

 別のブログに、ある本の出版記念講演会に行ったことを書いたのだったが(「お金の話」http://koukaitohansei.seesaa.net/article/469943544.html)、この講演会の会場は、世田谷区の昭和女子大学構内にある人見記念講堂だった。人見記念講堂という名前は、ラジオでよく耳にしていたのだったが、行ったのは初めてだった。

 その講堂の前に、なぜかレフ・トルストイの像がたっていた。そして講堂の中には、トルストイ博物館とトルストイの母親の実家の模型が展示されていた。なんでかな?

IMG_3873.jpg

 帰宅してから昭和女子大学について調べてみると、トルストイの考えに共感した人見圓吉・緑夫妻がこの学校を作ったのだということが書かれていた。

昭和女子大学「建学の精神」
https://office.swu.ac.jp/content/c_philosophy/c_spirit/

 私はいい年なのに、全く知らなかった。そうと知っていれば、大学受験の時にこの学校を目指しただろうに、時すでに遅し……。

 そして、この大学の中には「トルストイ協会」の事務局があるということを知った。トルストイ協会については、そういう団体があると、どなたかから聞いたことがあったが、私は専門家でもないし関係ないなあと思っていたのだった。しかし、講演会には会員でなくても聞きにいけるらしい。

日本トルストイ協会
http://chobi.net/~tolstoy/

 それで、昨日行ってきた。中村喜和先生の大変興味深いお話が聞けた。講演会費500円、安い! 学生さんは無料! そして、私は知っている人が誰もいないのに、私の苦手な立食形式なのに、懇親会というのにも参加してみた。初めて会う人たちから、いろいろなお話が聞けて楽しかった。

 講演会の演題は「トルストイとカナダのドゥホボール教徒」。ドゥホボール教徒がカナダに移住する際、トルストイが援助したというのは有名な話。ドゥホボール教徒は非暴力主義で、徴兵を拒否し、菜食だとのことである。

 何年か前に読んだマーガレット・ミラー『殺す風』という小説に、ドゥホボール教徒の子供がちょっとだけ登場していたのを思い出した。






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posted by ごー at 17:24| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

2019年09月26日

最後の授業

 この日が来なければいいのになあとずっと思っていたけど、ついに来てしまった。

 火曜日は私が通っているロシア語教室の最後の授業だった。

 最後の授業は、みんなでこれを読んだ。

Все на выпуск!
https://www.kommersant.ru/doc/3982605

 私も、「торты」の正しいアクセントの位置を、決して忘れることはないだろう。






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posted by ごー at 19:29| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

2019年09月22日

柴田保之『沈黙を越えて』

 ほとんど体を動かせず話もできない人、発話はあるが会話にならない人、そのような人たちが特別な装置やパソコンソフトを使い、他者の助けを借りて、文章をつづり始める。

 意思の疎通は絶対に無理だろうと思われていた人々の心の内を知ることができた時、周りの人たちはどんなにうれしかったことだろう。そして本人たちも、ずっと伝えたかったことを表現できて、どんなにうれしかったか。

 中途障害の人が適切な手段を与えられれば、自分の内面世界を表現できるだろうということは容易に想像がつくが、知的障害があるとされていて話す言葉も拙い人の内側にも、豊富な言葉が隠されていたというのは本当に不思議だ。アルツハイマーのために意思疎通が困難になっていた人も、この装置で自分の気持ちを伝えることができたという。「知的障害」って何だろう。頭のよしあしって、一般的なテストではかれるものではないのだろうなあ。






 最後の方に、援助の仕方が細かく書かれているが、非常に微小な動きを読み取るというもので、援助者の訓練もかなり大変そうだ。今後の科学技術の発展に伴い、もっと便利な装置が開発されることを望む。

 いろんな人が登場するので、誰の話だったか途中でわからなくなったりして混乱した(←これは私の問題)。図版は最初の方に少し絵があるだけなので、実際の入力の様子やパソコン画面の写真がもっとあればわかりやすかったかと思う。

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posted by ごー at 21:50| Comment(0) | 日本語 | 更新情報をチェックする