2019年05月25日

Сергей Лукьяненко, Мальчик и тьма セルゲイ・ルキヤネンコ『少年と闇』

 10年くらい前、Н.М.という人から『Мальчик и тьма』という本をもらった。「ごーはこういうの好きだと思うよ」と言って渡してくれたのだった。少し読み始めたけれど、そのあと引っ越しだのなんだのあって忙しく、Н.М.さんとも縁が切れてしまい、この本のことはすっかり忘れていた。

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 ある日、本の整理をしていたらこれが出てきた。せっかくだから読んでみようか。

 もうすぐ14歳になる少年が、風邪かなにかで学校を休み家で寝ていたら、窓の向こうから茶トラの子猫みたいな生き物が飛んできた。猫みたいなものは家の中まで入ってきて、しかもロシア語を話す。この猫みたいな生き物には癒しの力もあり、少年の病気はあっというまに治ってしまう(わかる! 猫に添い寝してもらって、猫ののどがぐるぐるいう音を聞いていたら、風邪くらいならすぐに治りそう!)。猫のような生き物は「まことの光」を探している。少年と猫のようなものは一緒に「まことの光」を探しに出かけるのだった……というお話。

 この本の中で「太陽の子猫」と呼ばれる、茶トラ猫風の生き物がとてもかわいい。ちょっと生意気なところもあるけど、それもいい。決まりの悪い場面に出くわすと、急に顔を洗い出したりするのもかわいい。話の内容は、私の貧弱な表現で例えると「ドラクエ風」かな? 仲間とともに旅をして謎をといていく。自分の心の中の闇と戦うような場面もあったかな。主人公と一緒に旅をするレンという男の子は、ちょっと弱そうなところがあるけど、一所懸命で好感が持てる。

 かなり楽しんでいたのだが、三分の二くらい読んだところで、ひどい場面があった。今すぐ本を投げ捨てたくなるような……。気にならない人にはどうということのない内容かもしれないが、私には無理。主人公と同じ年頃の子たちには絶対読ませたくないし、大人が読んでも不愉快になるだけだと思われるのに、なぜこんな場面を入れたのか謎である。今まで楽しかったのに! 続きが気にならないわけでもないが、こんな記述のあとでは読む気になれない。

 この悔しさと怒りを誰かと分かち合いたいのだが、その相手がいない。ロシア人が感想を語り合っている掲示板に書き込みをするほどのロシア語作文能力は、私にはない。

 セルゲイ・ルキヤネンコの本は、日本では二冊翻訳があるみたい。


デイ・ウォッチ



ナイトウォッチ


 kindle本にはこんなのがあった。


Я мышь (Russian Edition)

 ルキヤネンコ氏は、ねずみ好きで、ねずみの置物をたくさん持っているとのこと。この本は、ねずみの素晴らしさを伝えるために書かれたものらしい。そしてルキヤネンコ氏の自宅には、犬と魚がいるらしい。なんだ、猫は飼っていないのか……。『少年と闇』を読んでいた最中は、絶対この人猫好きだ!と思ったのだけどなあ。
 
posted by ごー at 09:52| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

2019年05月20日

Серая шейка


Серая Шейка (Russian Edition)


 ソ連の子供たちは学校でこれを読んだのだそうだ(現在どうなのかは、私は知らない)。とても泣ける話だというので読んでみた。狐に襲われて羽根をけがした子鴨の灰色首ちゃんは、越冬のための旅に同行できない。仕方なくひとり湖に残る灰色首ちゃん。狐に狙われている身。湖が凍らないうちは逃げ場があるけど、寒さが増して湖が凍ってくると、どんどん逃げ場が小さくなっていく。灰色首ちゃんの絶望感には同情したが、泣くほどではないかな……。灰色首ちゃんと人間のおじいさんが会話できるのには驚いた。

 1948年に制作された連邦動画のアニメの方が、ちょっと泣けるかも(結末がまったく違うのだが)。



 狐はいつも悪者扱いだけど、狐も何かしら食べないと生きていけないので、気の毒。

ラベル:ロシア語
posted by ごー at 20:36| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

自動小銃と機関銃

 基本的なことが分かっているのかを確認するために、『ロシア重要単語2200』を使って復習することにした。そして、気づいてしまったのだが……。





 私は今の今まで、автоматは「機関銃」だと思っていた。しかしここには「自動小銃」と書いてある。他の辞書で確認すると、やはり「自動小銃」と書かれている。「機関銃」はплемётだ。今まで何十年もавтоматのことを機関銃だと思っていた。はずかしい!

 しかし……。私には自動小銃と機関銃の違いがわからない。

 電子辞書に入っている、ブリタニカ国際大百科事典によると、「自動小銃」の項には「連続発射の操作が自動的に行われる個人携帯用の火器。原理、機構は機関銃とほぼ同じである。」と書いてある。なるほど。しかし、インターネット上の説明を読んだり、画像を見たりしても、なんだかよくわからない。興味がないので、これ以上は掘り下げないことにする。とにかく、автоматは「自動小銃」であるということは覚えた。

 あまり関係ないけど、『セーラー服と機関銃』は名曲ですね。





 そして、「До свидания!」も「Пока!」も、別れの言葉じゃなくて、再び会うための約束なのだった。

ラベル:ロシア語
posted by ごー at 11:56| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする