私が読んだのはロシア語訳
https://librebook.me/marta/
それからエスペラント訳
https://www.gutenberg.org/ebooks/61860
2022年の秋に読み始めたものの途中で投げ出してしまい、2023年の夏からまた読み始めて、やっと読み終わりました。いつものことですが、一冊読むのに(ロシア語訳とエスペラント訳を読んだのだから、二冊といってもいいのかな?)時間かかりすぎです。もっと集中して読書できるようになりたいです。
19世紀の外国の話なので、どういうものなのかよくわからない事物も多くて解読するのが大変でしたが、大変だけれど楽しかったです。
作者の名前が、ポーランド語ではEliza Orzeszkowa、ロシア語ではЭлиза Ожешко、エスペラント訳の表紙にはEliza Orzeszkoと書かれています。ロシア語ではЭлиза Ожешкова、Элиза Оржешкоという表記もあるみたいなんですが。どうしてこんなにいろいろな書き表し方があるのでしょうか。詳しい人がいらしたら教えていただきたいです。
フランス語訳表紙。
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英語訳表紙。
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この小説は、かつて日本でよく読まれていたそうで、映画も作られたようです。
↓こちらのページに詳しく書かれています。
『寡婦マルタ』とその受容(東北大学の後藤斉名誉教授のページ)
https://www2.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/historio/marta.html
舞台は19世紀後半のポーランド、ワルシャワ。幼い娘を抱えた若い未亡人マルタが、生活のために職探しをします。しかしなかなかいい仕事が見つかりません。
マルタは大事に育てられて、結婚相手もいい人だったので、とてもまともで誇り高い女性だったのです。しかし……。
この小説は岩波文庫にあってもいいくらいのものだと思います。どなたかポーランド語わかる方に訳していただきたいものです。みんな読んだ方がいいです。しかし、心の弱っている時には読まない方がいいです。
さて、最後まで「マルタ」を読むと、レフ・トルストイの「アンナ・カレーニナ」のことも思い出してしまうわけですが(二人とも黒髪の美人だし)、「マルタ」が発表されたのが1873年、「アンナ・カレーニナ」の執筆が始められたのも1873年だそうです。不思議な偶然の一致。アンナ・カレーニナはあんな衣食住に恵まれた生活をしていたのに、何をやっているのだと怒りがわいてきます。しかし、考えようによっては、数年間とはいえ、好きな人とお互いに尊敬、尊重し合いながら生活していたマルタの方が幸せだったのかもしれません。う〜ん、でもやっぱり二人とも気の毒だ……。
マルタだって、栄養状態がよければ↓こんな感じだったかもしれません。いや、もっと優しい顔つきかもしれない。
イヴァン・クラムスコイ - [1], パブリック・ドメイン, リンクによる
『マルタ』の作者エリザ・オジェシュコヴァは、1905年、ノーベル文学賞候補になりました。この時、レフ・トルストイも候補になっています(トルストイは第一回の1901年から1906年まで毎年候補になっていました)。この1905年にノーベル文学賞を受賞したのはポーランドの作家ヘンリク・シェンキェヴィチでした。
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