2025年01月05日

読書記録 Eliza Orzeszkowa『Marta』

Привет! Saluton! 遅読なごーです!😃

私が読んだのはロシア語訳
https://librebook.me/marta/

それからエスペラント訳
https://www.gutenberg.org/ebooks/61860

2022年の秋に読み始めたものの途中で投げ出してしまい、2023年の夏からまた読み始めて、やっと読み終わりました。いつものことですが、一冊読むのに(ロシア語訳とエスペラント訳を読んだのだから、二冊といってもいいのかな?)時間かかりすぎです。もっと集中して読書できるようになりたいです。

19世紀の外国の話なので、どういうものなのかよくわからない事物も多くて解読するのが大変でしたが、大変だけれど楽しかったです。

作者の名前が、ポーランド語ではEliza Orzeszkowa、ロシア語ではЭлиза Ожешко、エスペラント訳の表紙にはEliza Orzeszkoと書かれています。ロシア語ではЭлиза Ожешкова、Элиза Оржешкоという表記もあるみたいなんですが。どうしてこんなにいろいろな書き表し方があるのでしょうか。詳しい人がいらしたら教えていただきたいです。

フランス語訳表紙。






英語訳表紙。






この小説は、かつて日本でよく読まれていたそうで、映画も作られたようです。
↓こちらのページに詳しく書かれています。

『寡婦マルタ』とその受容(東北大学の後藤斉名誉教授のページ)
https://www2.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/historio/marta.html

舞台は19世紀後半のポーランド、ワルシャワ。幼い娘を抱えた若い未亡人マルタが、生活のために職探しをします。しかしなかなかいい仕事が見つかりません。

マルタは大事に育てられて、結婚相手もいい人だったので、とてもまともで誇り高い女性だったのです。しかし……。

この小説は岩波文庫にあってもいいくらいのものだと思います。どなたかポーランド語わかる方に訳していただきたいものです。みんな読んだ方がいいです。しかし、心の弱っている時には読まない方がいいです。

さて、最後まで「マルタ」を読むと、レフ・トルストイの「アンナ・カレーニナ」のことも思い出してしまうわけですが(二人とも黒髪の美人だし)、「マルタ」が発表されたのが1873年、「アンナ・カレーニナ」の執筆が始められたのも1873年だそうです。不思議な偶然の一致。アンナ・カレーニナはあんな衣食住に恵まれた生活をしていたのに、何をやっているのだと怒りがわいてきます。しかし、考えようによっては、数年間とはいえ、好きな人とお互いに尊敬、尊重し合いながら生活していたマルタの方が幸せだったのかもしれません。う〜ん、でもやっぱり二人とも気の毒だ……。

マルタだって、栄養状態がよければ↓こんな感じだったかもしれません。いや、もっと優しい顔つきかもしれない。

Portrait of an Unknown Woman
イヴァン・クラムスコイ - [1], パブリック・ドメイン, リンクによる



『マルタ』の作者エリザ・オジェシュコヴァは、1905年、ノーベル文学賞候補になりました。この時、レフ・トルストイも候補になっています(トルストイは第一回の1901年から1906年まで毎年候補になっていました)。この1905年にノーベル文学賞を受賞したのはポーランドの作家ヘンリク・シェンキェヴィチでした。

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posted by ごー at 22:20| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2024年12月31日

古い年はどこへ行く?

ロシア、サンクトペテルブルグ発のアニメ『スメシャーリキ』。

制作地がサンクトペテルブルグというところが特徴で、発音がペテルブルグ風だったりします。たとえば、「скучно」は「スクーシナ」が標準的な発音(すみません。カタカナでは正確に書き表せません)ですが、ペテルブルグでは「スクーチナ」と言ってもいいのです。語彙もモスクワとはちょっと違ったりします。他にも私には聞き取れない、しかし明らかな違いがあるらしいです。

『スメシャーリキ』には年末年始にまつわるお話がいくつかありますが、私が一番好きなのは「Куда уходит Старый год?」です。

Куда уходит Старый год? - Смешарики 2D | Мультфильмы для детей


うさぎのクローシュには年内にやっておきたいことのリストがあって、もう大晦日なのにまだリストに残っているものがあるから、古い年が行ってしまわないように見張っていて、とみんなに頼むというお話です。

かわいくて優しくて、美しくてせつなくて、そして幸せで楽しいお話だと私は思います。

Всех с наступающим Новым годом!🎄

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posted by ごー at 12:28| Comment(0) | ロシア語 | 更新情報をチェックする

2024年12月23日

サンタクロースについて

私はサンタクロースの存在を信じていたことがありませんでした。なぜなら、サンタクロースは煙突から家の中に入ってくるということになっているのに、うちには煙突がなかったからです。

ある年のクリスマス前夜、「あっちの部屋で音がしたよ。サンタさんかもしれないよ」と親に言われ、明かりのついていない部屋に入ってみると、布団の上に「魔女っ子メグちゃん」の紙芝居が置かれていました。弟へのプレゼントはミニカー用の立体駐車場でした。他の年にもプレゼントをもらっていたのだろうと思われますが、この時のことだけがとても強く印象に残っています。その時も、「これは親が用意してくれたものだ」とはっきりわかっていました。

そののち、高校生の頃、「サンタクロースはフィンランドに住んでいる。サンタクロースにあてて手紙を書くと返事がもらえる」というのを雑誌で読んで、手紙を送り、返事のカードをもらったことを覚えています。

サンタクロースの存在は信じていなかったのに、なぜかピーターパンは実在すると十歳くらいの頃まで思っていました(←変な子供)。

日本では「サンタさん」と呼ばれたりしますが、頭の中で勝手に「参太さん」とか「三太さん」に変換しているのは私だけでしょうか。

英語でも略して「Santa」と言うらしいです。

最近、イギリスで、サンタはいないと語って子供たちを泣かせてしまった司祭が謝罪する、という出来事がありました。

Vicar apologises after telling sobbing children ‘Santa isn’t real’
https://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/hampshire-vicar-santa-claus-isn-t-real-christmas-b2664558.html

意外とみんな信じているものなんですね。

イギリスでは「Santa Claus」以外に「Father Christmas」という呼び方もあるらしいのですが、実は別人らしい。

ブラジルでは「Papai Noel」、ポルトガルでは「Pai Natal」と言うそうです。「Noel」はフランス語?

ロシアには「Дед мороз」(厳寒じいさん?)がいまして、サンタクロースに似てはいるけど実は別人のようです。Дед морозは「Снегурочка」(雪子? Снежанаという女性名があって、これが雪子あるいは雪という日本名に相当するらしい)という女の子を連れています。私はこの子はおじいさんの孫だと思っていましたが、研究社露和辞典で「снегурочка」を見てみると、

(ロシア民話の)雪姫(雪で作ったら生命を得て動きだしたという、Дед-Морозの娘)


とありました。娘だったのか! Снегурочкаが誰かなのかについては諸説あるようです。

子供の頃、↓この本を読んで、






上手に作れたら動き出さないかなあと願いつつ雪像を作ってみたことがありましたが、ちっとも動きませんでした。

エスペラントでは、サンタクロースのことを「Sankta Nikolao」、ヂェド・マロースのことを「Avo Frosto」と言うそうです。

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posted by ごー at 07:34| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする